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外国人社員の雇用契約書の作り方|英語・労働条件通知書・電子契約の注意点

4 日前
読了時間: 10分

更新日:1 日前

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外国人社員の雇用契約書と電子契約を確認する人事担当者

外国人社員を採用するとき、「日本人社員と同じ雇用契約書を渡せばよいのか」「英語版も必要なのか」と迷う会社は少なくありません。


外国籍であることだけを理由に、まったく別の労働法が適用されるわけではありません。一方で、在留資格で認められた活動と担当業務が合っているか、本人が賃金や就業場所を理解できているか、契約更新と在留期間更新を混同していないかなど、外国人雇用ならではの確認事項があります。


この記事では、外国人を雇用する事業主・人事担当者に向けて、雇用契約書と労働条件通知書の違い、英語併記の考え方、記載項目、電子契約を導入するときの注意点を整理します。


外国人社員の雇用契約書で最初に確認すること


外国人社員にも、労働基準法をはじめとする日本の労働関係法令が適用されます。採用時には、賃金、労働時間、就業場所、担当業務、契約期間などの重要な条件を本人が確認できる形で示すことが大切です。

厚生労働省の外国人雇用に関する指針では、外国人労働者が労働条件を理解できるよう、分かりやすい説明書や多言語資料、母国語などを使って理解を促す配慮が示されています。


日本語が読める社員であっても、法律用語や給与控除、固定残業代の仕組みまで正確に理解できるとは限りません。署名をもらうことだけを目的にせず、本人が質問できる時間を設けましょう。


雇用契約書と労働条件通知書の違い


労働条件通知書は会社が条件を明示する書面

労働条件通知書は、会社が労働者に対して重要な労働条件を明示するための書面です。契約期間、更新基準、就業場所、業務内容、始業・終業時刻、休日、賃金、退職など、法律上明示が求められる事項があります。

制度改正により明示事項が変わることがあるため、数年前に作った様式をそのまま使い続けるのは避けた方がよいでしょう。採用のたびに最新の厚生労働省の案内を確認してください。


雇用契約書は会社と社員が合意した内容を確認する書面

雇用契約書は、会社と社員が合意した条件を記録するものです。会社と社員の双方が署名または記名押印する形が一般的です。

実務では、労働条件通知書と雇用契約書を一体化した「労働条件通知書兼雇用契約書」を使用する会社もあります。書類の名称よりも、必要な条件が具体的に記載され、本人が内容を理解して合意できることが重要です。


外国人社員の契約書に記載したい主な項目


1.契約期間と更新の基準

期間の定めがある場合は、開始日と終了日を明記します。更新の有無だけでなく、勤務成績、会社の経営状況、契約期間満了時の業務量など、更新判断の基準も確認できるようにします。

雇用契約の終了日と在留期間満了日は別の情報です。在留期間が残っていても雇用契約が自動更新されるわけではなく、契約を更新しても在留期間が自動的に延長されるわけではありません。


2.就業場所と変更の範囲

採用直後の勤務地に加え、将来変更される可能性がある場所の範囲も整理します。支店への転勤、顧客先での常駐、在宅勤務などが想定されるなら、実際の働き方に合わせて記載してください。

在留資格の申請時に提出した雇用条件と大きく異なる働き方へ変わる場合は、変更前に在留資格上の問題がないか確認した方が安全です。


3.担当業務と変更の範囲

「会社の定める業務」とだけ書くと、本人にとって仕事内容が分かりにくく、在留資格との整合性も確認しにくくなります。システム開発、海外営業、通訳・翻訳、調理など、中心となる職務を具体的に記載しましょう。

人手が足りない時期だけ別業務を担当してもらう場合でも、その業務が在留資格で認められた活動に含まれるとは限りません。配置転換は人事上の判断だけで進めないことが大切です。


4.労働時間・休憩・休日

始業・終業時刻、休憩、休日、時間外労働の有無を記載します。シフト制や変形労働時間制を採用する場合は、勤務予定がどのように決まり、いつ通知されるのかも説明してください。

留学生や家族滞在の方を資格外活動許可の範囲で雇うときは、許可の有無と就労時間を確認します。複数の勤務先がある場合、自社の勤怠だけを見ても全体の就労時間を把握できないことがあります。


5.賃金・手当・固定残業代

基本給、手当、締切日、支払日、支払方法、昇給の取扱いなどを明確にします。固定残業代を採用する場合は、通常の賃金部分と固定残業代部分、対象時間数、超過分の支払いを分けて説明します。

「月給30万円」とだけ伝えると、社会保険料や税金が控除された後の手取り額と誤解されることがあります。総支給額と手取り額が異なる理由も入社前に説明すると、後のトラブルを減らしやすくなります。


6.退職・解雇・休職

自己都合退職の申出方法、定年、解雇事由、休職制度などを就業規則と整合させます。外国人社員が退職・転職した場合、在留資格によっては本人による所属機関の届出が必要です。

会社側にも外国人雇用状況の届出などが関係するため、退職日が決まった段階で人事・給与・在留手続きの担当者が情報を共有してください。


英語版・母国語版を作るときの考え方


日本語版と翻訳版の優先関係を決める

日本語版と英語版を作る場合、内容に差が生じたときにどちらを基準とするかを定めます。ただし、日本語版を優先すると書けば説明不足が問題にならない、という意味ではありません。

重要な条件は、本人が理解できる言語で説明し、質問への回答を記録しておく方が実務的です。翻訳版の更新を忘れないよう、日本語版の条項番号とそろえて管理しましょう。


直訳より、意味が伝わる表現を優先する

「所定労働時間」「割増賃金」「試用期間」などは、単語を置き換えるだけでは伝わらないことがあります。必要に応じて短い説明を添え、給与例や勤務例を使って説明します。

自動翻訳は下書きには役立ちますが、契約条件をそのまま機械翻訳だけで確定するのは避けた方がよいでしょう。重要な契約では、法律・人事分野に慣れた翻訳者や専門家の確認を検討してください。

契約書の翻訳を外注するときの比較先

社内で訳文を確認できない場合は、翻訳会社への依頼も選択肢です。法人・個人事業主向けの「一括.jp」で翻訳代行の見積もりを相談し、対応言語、人事・労務文書の経験、校正の範囲、納期、守秘義務を比較できます。見積もり比較サービスの利用料と翻訳費用は分けて確認してください。翻訳の依頼だけで契約内容の適法性が確認できるわけではありません。法的判断は、内容に合う専門家へ相談しましょう。



電子契約で雇用契約を締結するときの注意点


雇用契約書や労働条件通知書を電子化すると、遠方の候補者や来日前の採用者と書類を共有しやすくなります。契約状況を一覧で管理でき、未署名の確認や更新時期の管理を効率化できる場合もあります。

一方で、電子契約サービスを導入すれば内容の適法性や在留資格との整合性まで自動的に確認されるわけではありません。本人確認の方法、電子交付への同意、閲覧・保存方法、署名権限、退職後のデータ保存を社内で決める必要があります。


電子契約サービスを比較する7つの基準


  • 雇用契約書・労働条件通知書に対応できるか

  • 日本語以外の文書や氏名表記を扱えるか

  • スマートフォンから確認・署名しやすいか

  • 本人確認と操作履歴を確認できるか

  • 人事・給与システムと連携できるか

  • 権限設定と退職者データの管理ができるか

  • 必要な文書を一般的な形式で出力できるか


少人数の会社では、紙やPDFへの署名で十分な場合もあります。契約数が少ないのに高機能なプランを導入すると、費用や設定作業の方が負担になることがあります。実際の採用件数と更新頻度をもとに判断してください。

契約書の作成から保管、更新時期の管理までをまとめたい場合は、電子契約サービスも選択肢になります。導入前に、自社の契約件数、必要な権限設定、既存システムとの連携可否を確認してください。


※サービスの料金、機能、対応書類、保存期間などは変更される可能性があります。比較・契約時には各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。


契約締結前に会社が確認する流れ


1.在留カードと就労可否を確認する

在留カードの有効性、在留資格、在留期間、就労制限の有無を確認します。採用予定の職務が現在の在留資格に含まれるか不明な場合は、契約締結前に確認してください。


2.職務内容と雇用条件をそろえる

求人票、面接で説明した仕事、雇用契約書、在留資格申請で提出する書類の内容が一致しているかを確認します。営業職として募集した人を、入社後すぐに別の現場作業へ配置するような運用は注意が必要です。


3.本人が理解できる方法で説明する

契約書を送付するだけで終わらせず、賃金、勤務時間、休日、試用期間、更新、退職などを順番に説明します。質問と回答をメールや面談記録に残しておくと、後から認識を確認しやすくなります。


4.署名後の書類を安全に保存する

署名済み契約書、翻訳版、在留カード確認記録、職務記述書を関連付けて保存します。給与担当者、現場責任者、行政手続き担当者の全員がすべての個人情報を見る必要はありません。役割に応じて閲覧範囲を分けましょう。


在留資格変更・更新は行政書士へ相談できます


外国人社員の採用、転職、配置転換では、雇用契約書に記載した職務内容と、在留資格で認められる活動が合っているかが重要です。契約書を作成しただけで、在留資格変更や在留期間更新が完了するわけではありません。


ミツノブ行政書士事務所では、外国人社員の在留資格変更、在留期間更新、所属機関に関する届出、企業側の必要書類整理についてご相談を受けています。採用予定の業務内容に不安がある場合や、転職者の在留資格を確認したい場合は、契約締結前の段階からお気軽にお問い合わせください。


よくある質問


Q1.外国人社員には英語の雇用契約書が必須ですか?

A1.一律に英語版だけが必須というわけではありません。ただし、本人が理解できる方法で労働条件を明示・説明することが重要です。日本語理解の程度に応じて英語版や母国語資料を用意してください。


Q2.雇用契約書と労働条件通知書は両方必要ですか?

A2.実務では一体型の書面を使う方法もあります。必要な明示事項を満たし、会社と社員の合意内容を確認できるようにしてください。


Q3.電子署名で雇用契約を締結できますか?

A3.電子交付を利用できる場面があります。ただし、本人の希望・同意、閲覧や保存の方法、対象書類などを確認する必要があります。導入サービスの案内と最新法令を確認してください。


Q4.試用期間中なら在留資格と違う仕事を任せてもよいですか?

A4.試用期間であっても、在留資格で認められた活動範囲の確認は必要です。補助的な業務を含め、実際の担当内容を具体的に確認してください。


Q5.契約更新と在留期間更新は同じタイミングですか?

A5.別の手続きです。雇用契約を更新しても在留期間は自動更新されません。満了日から逆算し、本人と会社が必要書類を準備してください。


参考情報



まとめ


外国人社員の雇用契約では、日本の労働法に沿って条件を明示することに加え、本人が理解できる説明と、在留資格に合った職務設計が重要です。

英語版や電子契約は、説明・締結・保管を助ける手段です。導入しただけで契約内容や在留手続きの問題が解消するわけではありません。採用、配置転換、契約更新の各段階で、雇用条件と実際の業務を確認しましょう。


執筆・監修

ミツノブ行政書士事務所

行政書士・宅地建物取引士 松田充正


本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の雇用契約、労務管理、在留資格変更または在留期間更新の結果を保証するものではありません。

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