top of page

外国人が日本で個人事業主になる方法|在留資格・開業届・税金を解説|Freelance Japan

9月15日
読了時間: 8分

更新日:9月29日

【広告について】

本記事には広告・アフィリエイトリンクを含む場合があります。サービスの申込み条件や審査基準は各社で異なるため、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。


日本のオフィスで開業準備の書類を確認する外国人個人事業主

日本で会社員として働く外国人の中には、副業を始めたい人、独立してフリーランスになりたい人、個人事業として店舗やサービスを運営したい人もいるでしょう。


ただし、税務署へ開業届を出すことと、その仕事を在留資格上行えることは別の問題です。現在の在留資格で予定する仕事が認められているかを確認せずに始めると、次回の在留期間更新や在留資格変更に影響する可能性があります。


この記事では、外国人が日本で個人事業主になる前に確認したい在留資格、開業届、青色申告、社会保険、事業用口座などを順番に解説します。


外国人も日本で個人事業主になれる


外国籍であることだけを理由に、日本で個人事業を始められないわけではありません。重要なのは、行おうとする事業が現在の在留資格で認められる活動に含まれているかどうかです。


開業届は税務上の届出であり、就労を許可する書類ではありません。先に在留資格の範囲を確認し、必要に応じて在留資格変更許可や資格外活動許可を検討してから、開業手続きを進めることが大切です。


最初に確認するのは在留資格


就労制限のない在留資格


「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」は、原則として就労活動の種類に制限がありません。そのため、個人事業主として幅広い事業を行いやすい在留資格です。


ただし、許認可が必要な業種では別途手続きが必要です。飲食店、古物営業、建設業、旅行業などを始める場合は、事業開始前に必要な許可や届出も確認してください。


就労系の在留資格


「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格では、個人事業であっても活動内容が在留資格の範囲内である必要があります。


例えば、企業との業務委託契約で通訳・翻訳、ITエンジニア、デザイナーなどの仕事を行う場合でも、学歴・職歴との関連性、契約内容、報酬、継続性などが確認されます。会社員から完全に独立する場合は、契約先や収入の安定性を説明できる資料を準備しておくと安心です。


現在の所属機関を退職したときや新しい契約機関と契約したときは、原則として14日以内の届出が必要になる場合があります。


留学・家族滞在などの在留資格


「留学」「家族滞在」などで本来の活動以外に収入を得る場合は、資格外活動許可が必要です。


個人事業は勤務時間を客観的に確認しにくいため、一般的な包括許可だけで足りないことがあります。事業内容、契約、稼働時間、報酬などを示し、個別許可が必要かを管轄の出入国在留管理官署へ確認してください。


経営・管理への変更が必要になるケース


自分で事業所を確保し、従業員を雇用して事業の重要事項を決定するなど、実質的に事業を経営・管理する場合は、在留資格「経営・管理」が問題になります。


2025年10月16日に許可基準が改正され、新規申請では主に次の要件が確認されます。


・日本国内に事業所があること

・対象となる常勤職員を1人以上雇用していること

・事業に使用する財産の総額が3,000万円以上であること

・経営者または常勤職員のいずれかにB2相当以上の日本語能力があること

・申請人に修士相当以上の学位、または経営・管理に関する3年以上の実務経験があること

・新規事業計画について、原則として経営に関する専門知識を持つ専門家の確認を受けること


以前よく案内されていた「資本金500万円」という情報は、現在の新規申請の基準とは異なります。古い記事だけで判断せず、申請時点の公表資料を確認してください。


なお、既に「経営・管理」で在留している人には経過措置があります。更新時期や事業状況によって取扱いが異なるため、早めの確認が必要です。


個人事業主になるための手続き


1.事業内容と在留資格の適合性を確認する


仕事内容、取引先、契約形態、予定収入、事業を行う場所を整理します。現在の在留資格の活動範囲に含まれない場合は、事業開始前に在留資格変更許可または資格外活動許可を検討します。


2.屋号・事業用住所・開始日を決める


屋号は必須ではありませんが、請求書や事業用口座で使用する場合は早めに決めると管理しやすくなります。

自宅住所を事業用住所にする場合は、賃貸借契約や管理規約で事業利用が認められているか確認してください。登記可能なバーチャルオフィスでも、在留資格「経営・管理」の独立した事業所要件を満たすとは限りません。


事業用住所を低コストで準備できるサイト


3.開業届を提出する


個人事業の開業・廃業等届出書は、納税地を管轄する税務署へ提出します。2026年1月1日以後の取扱いでは、提出期限は原則として事業を開始した年分の所得税の確定申告期限までです。


提出方法は税務署窓口、郵送、e-Taxなどがあります。マイナンバーの記載や本人確認書類が必要になる場合があるため、国税庁の最新様式と案内を確認してください。


4.青色申告承認申請書を検討する


青色申告では、要件を満たすことで青色申告特別控除、赤字の繰越し、青色事業専従者給与などの制度を利用できます。


その年の1月16日以後に開業した場合、青色申告承認申請書の提出期限は原則として開業日から2か月以内です。期限を過ぎると、その年は青色申告を利用できないことがあるため注意してください。


5.記帳・請求・納税の仕組みを整える


事業用と生活用の入出金を分け、売上、経費、請求書、領収書を継続して管理します。取引先が適格請求書を必要とする場合は、インボイス登録の要否も検討します。


登録すると消費税の申告・納税が必要になるため、取引先の要望だけで決めず、売上見込みや事務負担を踏まえて税務署や税理士へ相談しましょう。


6.健康保険・年金を確認する


会社を退職して個人事業主になると、勤務先の健康保険と厚生年金から、国民健康保険と国民年金へ切り替えるケースがあります。


日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の人は、国籍にかかわらず原則として国民年金の対象です。家族の扶養、任意継続、他の勤務先での加入などにより手続きが異なるため、市区町村や年金事務所へ確認してください。


7.事業用口座・決済・通信環境を準備する


事業専用の銀行口座やクレジットカードを分けると、帳簿作成と確定申告が楽になります。店舗や対面サービスでは、キャッシュレス決済の導入も検討できます。


外国人名義では、本人確認書類の表記と申込情報が一致しているかが重要です。氏名の順序、ミドルネーム、省略表記、在留期間、住所表記に違いがないか確認しましょう。


在留資格の相談は行政書士へ


個人事業の内容が現在の在留資格に含まれるか、資格外活動許可で対応できるか、「経営・管理」への変更が必要かは、事業の実態によって判断が変わります。


ミツノブ行政書士事務所では、外国人の在留資格変更や在留期間更新に関するご相談を受け付けています。独立や副業を始める前に、仕事内容、契約、売上見込み、事業所の状況を整理したうえで、お気軽にご相談ください。


よくある失敗と対策


開業届を出せば働けると思ってしまう


開業届は税務手続きです。在留資格上の就労可否は別に確認しなければなりません。


会社を辞めた後の届出を忘れる


所属機関に関する届出が必要な在留資格では、退職や新しい契約から14日以内の対応が必要になる場合があります。


事業実態を説明する資料が足りない


業務委託契約書、請求書、入出金記録、事業計画、ウェブサイト、作業場所の資料などを継続して保存しておきましょう。


自宅やバーチャルオフィスを無条件で使えると思う


賃貸借契約上の事業利用と、在留資格上の事業所要件は別です。契約前に用途と審査条件を確認してください。


Q&A


Q.永住者は開業届だけで個人事業を始められますか?

A.永住者は就労活動の種類に制限がありません。ただし、税務手続き、業種ごとの許認可、賃貸借契約上の用途制限などは別途確認が必要です。


Q.会社員のまま副業で個人事業を始められますか?

A.予定する副業が現在の在留資格の活動範囲に含まれるかで判断します。範囲外であれば資格外活動許可が必要になる可能性があります。また、勤務先の就業規則も確認してください。


Q.フリーランスになると在留資格は必ず経営・管理へ変更しますか?

A.必ずしもそうではありません。企業との業務委託で専門業務を行い、現在の就労資格の範囲に収まるケースもあります。一方、事業の経営・管理が活動の中心になる場合は「経営・管理」を検討します。


Q.バーチャルオフィスは経営・管理の事業所として使えますか?

A.住所利用や法人登記が可能でも、それだけで「経営・管理」の事業所要件を満たすとは限りません。事業の継続性、独立した区画、設備、契約内容などを個別に確認する必要があります。


参考情報



まとめ


外国人が日本で個人事業主になるときは、開業届より先に在留資格の確認が必要です。事業内容が在留資格の範囲に含まれるかを整理し、必要な許可や届出を済ませたうえで、税務、保険、年金、口座、決済の準備を進めましょう。


特に「経営・管理」は2025年10月に許可基準が大きく変わっています。古い情報だけで準備せず、最新の公表資料と事業実態に基づいて判断することが重要です。


執筆・監修

ミツノブ行政書士事務所

行政書士・宅地建物取引士 松田充正


本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の在留資格該当性、許可結果、税務上の取扱いを保証するものではありません。

© 2018 - 2026 by MITSUNOBU MATSUDA

メール : info@mitsunobu-gyosei.com

事務所 : 東京都世田谷区北沢3-6-12 #101

bottom of page