外国人個人事業主の会計ソフトの選び方|確定申告・帳簿・日本語対応|Accounting Software Japan
更新日:9月29日
日本で個人事業を始めた外国人にとって、会計ソフトは単なる確定申告ツールではありません。売上と経費の記録、請求書の作成、領収書の保存、事業の収支確認を一つの流れにまとめるための基盤です。
一方で、日本の会計ソフトは日本語を前提としたサービスが多く、料金だけで選ぶと、勘定科目や税区分の入力で止まることがあります。英語表示の有無よりも「日本語の画面を自分で操作できるか」「困ったときに誰へ確認できるか」を見極めることが大切です。
この記事では、「Accounting Software Japan」を探す外国人の個人事業主に向けて、クラウド会計ソフトを選ぶポイントと、弥生・マネーフォワード・freeeの違い、導入前に確認したい在留資格上の注意点を整理します。

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外国人の個人事業主にも記帳・保存の義務がある
国籍にかかわらず、日本で事業所得や不動産所得などがある人には、原則として帳簿を記帳し、帳簿や請求書・領収書などを保存する義務があります。白色申告なら何も記録しなくてよい、という意味ではありません。
取引が少ないうちは表計算ソフトでも管理できます。ただ、事業用口座やクレジットカードの明細が増えると、手入力の漏れや二重計上が起きやすくなります。クラウド会計ソフトは金融機関との連携や仕訳候補の提案を利用できるため、毎月の記帳を続けやすくする選択肢です。
会計ソフトを入れても税務判断は自動化できない
ソフトが提案する勘定科目や税区分が、すべての取引で正しいとは限りません。事業と私生活が混在する支出、海外取引、消費税、源泉徴収、インボイス制度などは、個別事情によって処理が変わります。
会計ソフトは入力と集計を助ける道具です。税務判断に迷う取引が多い人や、海外所得・複数通貨の取引がある人は、税務署または税理士へ相談する方が安全です。
外国人が会計ソフトを選ぶ7つのポイント
1.日本語の画面を継続して操作できるか
日本の個人事業主向け会計ソフトは、主要画面やヘルプが日本語中心です。英語のブラウザ翻訳は概要を理解する助けになりますが、勘定科目、課税区分、決算書の項目名まで正確に置き換えられるとは限りません。
無料体験中に、売上登録、経費登録、口座連携、請求書作成、確定申告書の画面まで進めてください。毎月使う画面が理解できるかを確認してから契約すると、乗り換えの負担を減らせます。
2.白色申告・青色申告のどちらに対応するか
青色申告には事前の承認申請と、控除額に応じた記帳・申告要件があります。これから開業する人は、ソフト選びの前に、青色申告承認申請書の期限と必要な記帳方法を確認しましょう。
すでに白色申告で運営している人も、翌年から青色申告へ切り替える可能性があるなら、両方に対応したサービスを選ぶとデータを移し替える手間を抑えやすくなります。
3.銀行口座・カード・決済サービスと連携できるか
利用中の銀行、クレジットカード、ECサイト、キャッシュレス決済が連携対象かを確認します。外国人名義では、口座名義のローマ字表記、ミドルネーム、カード名義と登録情報が一致しているかも重要です。
連携数が多いだけでなく、実際に使う金融機関の同期が安定しているか、連携が切れた場合にCSVで取り込めるかも見ておきましょう。
4.請求書・インボイス・電子取引データに対応するか
メールやクラウドで受け取った請求書・領収書などの電子取引データは、電子帳簿保存法に沿った保存が必要です。ファイルの検索、訂正・削除の履歴、保存方法などを確認し、会計ソフトだけで完結しない場合は別の保存方法を整えます。
適格請求書発行事業者として登録している場合は、消費税区分やインボイス対応機能も確認してください。登録の要否は売上規模だけで一律に決まるものではないため、取引先との関係や事務負担を含めて検討します。
5.e-Taxの方法が自分の端末に合うか
会計ソフトからe-Taxへ送信する方法は、サービスや端末によって異なります。マイナンバーカード、対応スマートフォン、カードリーダーなど、申告時に必要なものを事前に確認してください。
6.サポート範囲が足りているか
安いプランでは電話サポートがなく、チャットやメールのみの場合があります。また、製品の操作方法には答えてもらえても、個別の仕訳や税務判断はサポート対象外というサービスもあります。
日本語での問い合わせに不安がある人は、画面共有、電話、メールなど、自分が使いやすい方法が含まれるプランを選びましょう。
7.年間費用と更新条件を確認する
初年度無料や割引があっても、2年目以降は通常料金へ変わることがあります。月払いと年払い、サポート追加、請求書機能、利用人数、解約期限まで含めた年間費用で比較してください。
料金・条件・サービス内容は変更される可能性があるため、申込み前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
Accounting Software Japan|主要クラウド会計ソフト3社を比較
ここでは、個人事業主が検討しやすい弥生、マネーフォワード、freeeを比較します。どれか一つが全員に合うわけではありません。取引件数、日本語力、必要なサポート、将来の法人化によって選び方は変わります。
やよいの青色申告 オンライン
確定申告を中心に、費用を抑えて始めたい人が検討しやすいサービスです。公式サイトによると、どのプランでも主要な製品機能を利用でき、プランごとの差は主にサポート範囲です。仕訳・記帳の自動化、金融機関連携、e-Tax、インボイス制度、電子帳簿保存法への対応が案内されています。
一方、操作サポートが少ないプランでは、自分でヘルプを読みながら進める場面があります。日本語の会計用語に慣れていない人は、料金だけでなくサポート付きプランも比較してください。
マネーフォワード クラウド確定申告
銀行口座やカードとの連携に加え、請求書、経費、契約など、バックオフィス全体をまとめたい人に向いています。取引先が増え、入出金確認と請求業務を同じ環境で管理したい場合は候補になります。
ただし、最小プランでは利用できない機能があります。電話サポートが必要な場合は上位プランになるため、確定申告だけを低コストで済ませたい人には機能が多すぎることもあります。
freee会計
質問に答えながら確定申告書を作る流れや、スマートフォンでの操作を重視する人が検討しやすいサービスです。請求書作成、銀行・カード明細の取得、電子申告などが用意され、上位プランでは消費税申告やサポート範囲が広がります。
従来の簿記画面に慣れている人は、独自の操作方法に慣れるまで時間がかかることがあります。また、レシート取込や消費税申告などはプランによる制限があるため、必要機能を先に確認してください。
会計ソフトが合わないケースもある
取引が年に数件だけで、現金出納もほとんどない場合は、有料ソフトの費用が負担になることがあります。無料の帳簿様式や表計算ソフトで管理し、申告時だけ専門家へ確認する方法も選択肢です。
反対に、海外取引、外貨、複数事業、従業員給与、消費税、固定資産が多い事業では、個人向けの低価格プランだけでは不足する場合があります。税理士が指定するソフトに合わせた方が、データ受渡しをスムーズにできることもあります。
導入するときの5つの手順
1.事業用と生活用のお金を分ける
可能であれば、事業専用の銀行口座とクレジットカードを用意します。生活費の支払いが大量に混ざると、会計ソフトへ連携した後の除外作業が増えます。
2.開業日と期首残高を確認する
開業前に支払った費用、事業用資産、借入金、現金残高を整理します。開始時点の数字が間違うと、その後の残高も合わなくなります。
3.無料体験で同じ取引を入力する
候補を2社程度に絞り、同じ売上、経費、口座明細を入力してみましょう。画面の見やすさは説明記事だけでは判断しにくいため、実際の操作で比べる方が確実です。
4.毎月の締め日を決める
確定申告前に一年分をまとめて処理すると、領収書の紛失や内容の記憶違いが起きやすくなります。毎月1回、口座残高と帳簿残高を確認し、未処理取引をなくす習慣を作ります。
5.不明な取引だけ専門家へ確認する
すべてを自己判断する必要はありません。質問を一覧にして税務署や税理士へ確認すると、相談時間を使いやすくなります。行政書士は税務申告の代理を行う専門家ではないため、税務相談は税理士の分野です。
個人事業と在留資格は別に確認する
会計ソフトを契約したことや開業届を提出したことだけで、個人事業の活動が在留資格上認められるわけではありません。現在の在留資格で予定する業務が可能か、独立や副業に資格外活動許可・在留資格変更が必要かを、事業開始前に確認してください。
売上、取引先との契約、請求書、入出金記録、事業計画は、在留期間更新や在留資格変更で事業の継続性を説明する資料になる場合があります。会計データと実際の契約内容が一致するように管理しておくことが大切です。
よくある質問
Q.英語だけで日本の確定申告はできますか?
A.会計ソフトや税務書類は日本語中心です。翻訳ツールで補助できる部分はありますが、税務用語を誤って解釈する可能性があります。不明点は税務署や税理士へ確認してください。
Q.無料の会計ソフトでも問題ありませんか?
A.取引数や必要機能に合えば利用できます。ただし、申告書作成、e-Tax、データ保存期間、サポート、口座連携に制限がないかを確認しましょう。
Q.途中で別のソフトへ変更できますか?
A.CSVなどで移行できる場合がありますが、勘定科目や税区分が完全には一致しないことがあります。申告直前を避け、バックアップを保存してから移行する方が安全です。
Q.個人事業主になれば在留資格を変更しなくてもよいですか?
A.一律には判断できません。現在の在留資格、事業内容、副業か独立か、契約形態などによって異なります。税務上の開業と在留資格上の許可は別に確認してください。
まとめ
外国人の個人事業主が会計ソフトを選ぶときは、価格だけでなく、日本語画面、口座連携、申告方法、サポート、電子データ保存まで確認する必要があります。まず無料体験で日常の取引を入力し、無理なく毎月続けられるサービスを選びましょう。
ミツノブ行政書士事務所では、個人事業への転向や副業に伴う在留資格変更、資格外活動許可、在留期間更新についてご相談を承ります。現在の在留資格で予定する事業が可能か不安な方は、事業開始前にお気軽にお問い合わせください。
執筆・監修
ミツノブ行政書士事務所
行政書士・宅地建物取引士 松田充正
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断、申告結果、在留資格の許可を保証するものではありません。税務に関する判断は税務署または税理士へ、在留資格については出入国在留管理庁または行政書士へご確認ください。



