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外国人の年収交渉|希望額の伝え方と内定条件の比較

Mitsu
4 日前
読了時間: 9分

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2枚の雇用条件書を見比べ、ノートパソコンと電卓を使って転職先の給与条件を確認する男性

日本で転職する際、「希望年収を聞かれても、いくらと答えればよいか分からない」「内定の年収は上がるが、固定残業代や賞与の条件が気になる」と悩む外国人の方は少なくありません。


外国人の年収交渉では、希望額の根拠、給与の内訳、在留資格に合う仕事内容をセットで確認します。この記事では、日本ですでに職歴がある方に向けて、準備する数字、伝え方、内定承諾前の確認メールを整理します。給与の上昇や採用を約束する方法ではありません。


外国人の年収交渉は「額・内訳・職務」をそろえる


最初に決めたいのは、希望年収だけではありません。「どの仕事を、どの条件で引き受けるか」を説明できる状態にします。同じ年収500万円でも、賞与次第で変わる契約と、月給を中心に受け取る契約では、毎月の生活設計が異なります。


  • 現年収:対象期間をそろえ、基本給・手当・賞与・残業代に分ける

  • 希望年収:担当する職務と経験を根拠に、税・社会保険料控除前の額で考える

  • 判断の下限:自分が承諾できる額と、勤務地・残業・休日など譲れない条件を決める


手取り額と額面を混ぜたり、母国の給与を為替換算した数字だけで比較したりしないようにします。手取りは税・社会保険料や個別事情で変わるため、企業には額面と支給内訳を確認してください。


希望年収の根拠を求人と実績から作る


同じ条件の求人を3件ほど並べる

職種名だけでなく、担当業務、経験年数、勤務地、必要言語、管理職かどうかをそろえて比較します。「英語ができる」だけではなく、英語で商談できる、海外拠点との調整を担当できる、と仕事への貢献に置き換えます。


まず企業の採用ページやハローワークの無料求人で確認しましょう。求人の探し方自体に迷う方は、外国人が日本で仕事を探す方法も参考にしてください。求人の年収上限は、自分に提示される金額の保証ではありません。


口コミは会社に質問する材料として使う

企業の年収や評価制度を調べる補助として、転職会議の口コミを確認する方法もあります。同じ会社でも職種・役職・在籍時期で事情は変わります。投稿された金額をそのまま自分の適正年収とせず、「昇給の評価基準は何か」などの質問に変えます。



口コミの閲覧範囲・期間には条件があり、有料の閲覧方法が案内される場合もあります。必要な情報が少ない企業や、最新の条件を直接確認したい場合には向きません。閲覧のために経験していない内容を投稿せず、登録・購入前に現在の利用条件を確認してください。


実績は数字と自分の役割を分ける

「チームの売上が増えた」だけでは本人の貢献が伝わりません。担当した顧客数、改善した工程、使用した技術、担当人数など、説明できる事実を2〜3個用意します。会社の機密情報や顧客名は無断で開示せず、公開できる範囲で具体化します。


異業種・未経験職種への転職では、前職の年収をそのまま維持できるとは限りません。新しい役割で使える経験と、これから習得する部分を分けて、求人の給与範囲と照合します。


希望年収を伝えるタイミングと日本語の例


企業から希望額を聞かれたら、額面・賞与の扱いを明らかにして答えます。聞かれないまま選考が進んだ場合も、担当業務が具体化した段階で、内定承諾を決める前に給与条件の確認機会を設けましょう。エージェント経由なら、最初に担当者へ希望と譲れない条件を共有します。


希望額を伝える例

「今回の業務内容と、これまでの〇〇の経験を踏まえ、額面年収500万円を希望しております。賞与の算定方法と固定残業代の内訳も確認したうえで、全体の条件をご相談できれば幸いです。」


これは架空の文例であり、500万円を勧めるものではありません。自分の職種・経験・求人に合う数字へ変えてください。生活費や家族への送金額は自分の判断基準になりますが、企業に説明する希望額の根拠には、仕事上の経験や責任も添えます。


提示額が希望より低い場合

「ご提示ありがとうございます。担当範囲に〇〇が含まれる点を踏まえ、年収〇万円への調整をご検討いただけますでしょうか。難しい場合は、入社後の評価時期と、昇給判断の基準を教えていただけますと幸いです。」


存在しない他社内定や現在の年収を伝えることは避けます。希望額を変えるときは、業務範囲が広がったなどの理由を説明し、同じ会社への連絡窓口をそろえてください。「入社後に上げる」という口頭の話だけで、将来の昇給を確定収入として計算しないことも大切です。


自己紹介や職歴の受け答えは、外国人の転職面接の準備で確認できます。年収の相談でも、何を任せられる人なのかを短く説明できることが役立ちます。


内定の年収は同じ基準で比較する


月給・賞与・一時金を別々に見る

次は比較方法を示す架空の例です。実際の求人や平均給与ではありません。


  • A社:月給35万円×12か月=420万円。賞与「前年度実績80万円」で、表示上の想定年収は500万円。

  • B社:月給39万円×12か月=468万円。賞与なし。両社とも、この例では固定残業代・一時金を含まないものとする。


A社の想定年収は高くても、賞与80万円が自分にも支給されるとは限りません。初年度は在籍期間や評価によって減る場合もあるため、支給対象期間・算定基準・初年度の扱いを確認します。B社は月給ベースの年額が高い一方、休日や勤務時間なども合わせて比べる必要があります。


入社一時金や引越し補助は、毎年の給与と分けます。短期間で退職した場合の返還条件、支給時期、実費精算の範囲も確認してください。年俸制でも12回払いか賞与月を含む分割かで毎月の受取額は変わります。


固定残業代は金額と時間数を確認する

月給に固定残業代が含まれる場合は、除いた基本給、固定残業代の額と対象時間数、超過分の支払方法を確認します。「月給40万円」と「基本給40万円」は同じではありません。


厚生労働省の固定残業代のQ&Aでは、通常の賃金部分と割増賃金部分を区別し、法定の計算額を下回る場合は差額を支払う必要があると説明されています。固定残業代があることだけで、何時間でも追加の支払が不要になるわけではありません。


固定時間数は、実際の残業時間そのものを示す数字でもありません。部署の残業実績、勤怠の記録方法、休日・深夜の扱いも質問しましょう。試用期間中の減額や手当の支給条件がある場合は、その期間の収入も別に計算します。


専門職・管理職は条件相談の支援も比較する


実績の説明や企業への条件確認を一人で進めにくい場合、転職エージェントに相談する選択肢があります。Samurai Jobは、外資系・グローバル企業などを目指す経験者や管理職・専門職向けのサービスです。求職者の転職支援は無料ですが、経歴や希望によって紹介可能な求人がない場合があります。



年収600万円以上などの対象条件があるため、幅広い年収帯の方や未経験職・初就職を希望する方全員に合うサービスではありません。年収・年齢の境界条件、過去2年間のJAC利用歴などは登録前に確認してください。希望年収の相談や企業との条件調整をどこまで支援してもらえるかも、担当者へ確認します。


担当者には、希望額、承諾を判断する期限、他社選考の状況、優先する条件を正確に伝えます。採用企業への伝達内容と最終的な労働条件は、自分でも確認してください。登録すれば必ず希望額になる、紹介があれば必ず採用されるというものではありません。


料金・条件・サービス内容は変更される可能性があるため、申込み前に公式サイトで最新情報をご確認ください


年収が上がっても在留資格の確認は必要


給与の合意と、外国人がその仕事に従事できるかの確認は別です。「技術・人文知識・国際業務」など活動内容に制限がある在留資格では、実際の仕事内容との適合を確認します。役職名や高い年収だけで、就労できる範囲が広がるわけではありません。


職務内容、雇用条件、会社資料、在留カードをそろえて判断します。転職時の確認に使う証明書については、就労資格証明書の申請・必要書類をご覧ください。申請が必要かどうかも個別状況で異なります。


ミツノブ行政書士事務所では、転職先の職務と在留資格の適合、変更・更新等の手続きについてご相談いただけます。在留資格について相談する。求人紹介や給与交渉の代行とは別の相談です。未払い賃金や労働条件をめぐる紛争は、労働局等の公的窓口や弁護士など適切な専門家へご相談ください。


承諾前に送る確認メールと最終チェック


件名:入社条件の確認について(氏名)


「このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。承諾の判断にあたり、①基本給と固定残業代の金額・時間数、②賞与の算定基準と初年度の扱い、③試用期間中の給与、④担当業務と勤務地、⑤入社日および回答期限を確認させてください。合意した条件を記載した書面をご共有いただけますと幸いです。」


求人票、面接時の説明、最終書面に違いがあれば、項目を示して確認します。ハローワークも、求人票は雇用契約書ではなく、採用時に書面による条件明示を受けるよう案内しています。理解できない日本語があるときは、意味を説明してもらい、内容を理解してから回答しましょう。


確認済みの条件・未確定の条件・自分の希望を別々にメモします。回答期限までに確認が終わらない場合は、理由を伝えて期限の調整を相談してください。退職・引越し・入社日の調整も、給与額だけを理由に急いで進めないようにします。


書面を受け取ったら同じ7項目をチェックする


  • 給与:額面の月額、年額、各手当の支給条件が分かるか

  • 残業:固定残業代を除く基本給と、超過分の扱いが分かるか

  • 賞与:実績・見込み・契約上の支給条件を区別できるか

  • 初年度:入社月、試用期間、初回給与日を反映しているか

  • 職務:面接で説明された業務と書面の内容が合っているか

  • 勤務:勤務地、勤務時間、休日など生活に直結する条件を確認したか

  • 回答:不明点への回答が残り、承諾期限までに判断できるか


海外勤務時の給与資料を使う場合は、通貨、対象期間、賞与や住居手当の含み方を説明します。年収を証明する資料の提出を求められたら、提出目的と必要範囲を確認し、関係のない家族情報や口座取引まで一括で渡さないようにしましょう。


FAQ


Q.外国人でも年収交渉をしてよいですか?

A.希望を伝えることはできます。ただし、企業の給与制度や採用枠、経験との一致によって調整できる範囲は異なります。国籍だけで希望を下げず、職務と実績を根拠に相談しましょう。


Q.年収は何%上乗せして伝えるのが正解ですか?

A.一律の正解はありません。現年収への割合だけで決めず、同条件の求人、担当する責任、経験を基準にします。希望額と承諾の判断基準を整理してください。


Q.年収の提示が希望どおりならすぐ承諾してよいですか?

A.給与の内訳、初年度賞与、試用期間、実際の仕事、在留資格との適合なども確認します。未確定の賞与や口頭の昇給予定を確定額に含めず、合意内容を記録しましょう。


参考情報



執筆・監修

ミツノブ行政書士事務所

行政書士・宅地建物取引士 松田充正


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