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外国人が日本で飲食店を開業する方法|営業許可・物件・在留資格を解説|Restaurant Business Japan

9月23日
読了時間: 10分

更新日:9月29日

日本でカフェ、レストラン、居酒屋などを開業したい外国人にとって、最初の大きな課題は「どの手続きを、どの順番で進めるか」です。

飲食店は、会社や個人事業の準備だけでは営業できません。現在の在留資格で経営できるかを確認し、店舗として使える物件を確保したうえで、保健所の営業許可や消防関係の手続きを進める必要があります。


特に注意したいのは、物件を契約して工事を始めてから施設基準を満たせないと分かるケースです。開業費用の損失を防ぐには、在留資格・物件・許認可を別々に考えず、契約前から同時に確認することが重要です。この記事では、Restaurant Business Japanを検討する外国人向けに、必要な許可、物件選び、在留資格、開業後の衛生管理まで順番に解説します。

日本の飲食店で開業準備の図面と許可書類を確認する外国人経営者と日本人アドバイザー

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外国人が日本で飲食店を開業する流れ


一般的には、次の順番で準備します。

  1. 現在の在留資格で経営できるか確認する

  2. 事業計画と資金計画を作成する

  3. 個人事業または法人を選ぶ

  4. 飲食店として使用できる物件を探す

  5. 保健所・消防署へ事前相談する

  6. 内装工事と設備工事を行う

  7. 食品衛生責任者を選任する

  8. 飲食店営業許可を申請し、施設検査を受ける

  9. 税務・労務・必要に応じた警察署への手続きを行う

  10. 在留資格の変更・更新と開業日を調整する


物件契約、工事、営業許可、在留資格の審査にはそれぞれ時間がかかります。開業希望日から逆算し、余裕を持って準備してください。


1.現在の在留資格で経営できるか確認する


永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者など、就労活動に原則として制限のない在留資格であれば、飲食店経営を始めやすい傾向があります。

一方、技術・人文知識・国際業務、留学、家族滞在などで在留している方が、自ら飲食店を経営する場合は、在留資格「経営・管理」への変更などを検討する必要があります。現在の在留資格の範囲を超えて経営を始めると、在留資格上の問題が生じる可能性があります。


2025年10月16日以降、「経営・管理」の許可基準は改正されています。新規申請では、原則として1人以上の対象となる常勤職員の雇用、3,000万円以上の資本金等、申請者の学歴または経営・管理経験、経営者または常勤職員の日本語能力、専門家による事業計画の確認などが重要になります。


個人事業の場合、3,000万円は資本金ではなく、事業所の確保、常勤職員の給与、設備投資など、事業のために投下した財産の総額として扱われます。既に「経営・管理」で在留している方の更新には経過措置があるため、新規申請と同じ結論になるとは限りません。

最新の基準と提出書類は、出入国在留管理庁の「経営・管理」改正案内で必ず確認してください。


2.事業計画と資金計画を作る


飲食店の開業費用は、物件取得費、保証金、内装工事、厨房設備、什器、仕入れ、人件費、広告費、許可申請費用などに分かれます。

居抜き物件は設備費を抑えやすい一方、既存設備の故障、排気能力の不足、動線の悪さなどが後から分かることがあります。スケルトン物件は自由に設計しやすい反面、工事費と開業までの期間が増えやすくなります。


少なくとも次の項目を月単位で試算しましょう。

  • 想定客数、客単価、営業日数

  • 家賃、共益費、人件費、仕入れ費

  • 水道光熱費、通信費、決済手数料

  • 借入金の返済額

  • 売上が安定するまでの運転資金

飲食店は空調や冷蔵・冷凍設備を長時間使うため、電気料金プランが固定費に影響します。電気チョイスでは、店舗や法人向けを含む電力プランを無料で比較・提案してもらえます。ただし、地域、契約容量、設備、既存契約によって切り替え先や削減額は異なり、希望するプランを利用できない場合があります。条件は変更される可能性があるため、申込み前に最新情報をご確認ください。



在留資格「経営・管理」を申請する場合、事業計画の具体性と実現可能性は特に重要です。許可取得だけを目的に数字を作るのではなく、開業後に継続できる根拠を示せる計画にします。


3.個人事業と法人のどちらで始めるか決める


小規模な店舗では個人事業から始める方法もありますが、共同経営、融資、採用、店舗展開、在留資格などを踏まえると法人が適する場合があります。

法人で始める場合は、株式会社または合同会社の設立後、税務署などへの届出も必要です。個人事業でも開業届、青色申告、従業員を雇う場合の給与関係手続などを確認します。

税務上の主な届出は、国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」で確認できます。


4.飲食店として使える物件を契約する


店舗物件は、立地や家賃だけで決めないことが大切です。契約前に、少なくとも次を確認してください。

  • 賃貸借契約上、飲食店営業が認められているか

  • 希望する業態、営業時間、酒類提供が認められるか

  • 排気、給排水、ガス、電気容量が十分か

  • グリストラップや手洗い設備を設置できるか

  • 看板、ダクト、室外機の設置に貸主の承諾が得られるか

  • 用途地域、建物用途、消防設備に問題がないか

  • 原状回復の範囲と退去時の負担が明確か

在留資格「経営・管理」では、事業所として継続的に使用できる実態も確認されます。賃貸借契約の使用目的や契約名義が申請内容と一致しているかも重要です。

当事務所では、宅地建物取引士として、外国人の方の飲食店・事業用物件の賃貸や売買についてもご相談を承っています。許可や在留資格との相性を確認しながら物件を探したい方は、お気軽にお問い合わせください。


5.工事前に保健所と消防署へ相談する


飲食店営業許可には施設基準があります。内装工事が終わった後で設備不足が判明すると、追加工事や開業延期につながります。

物件の平面図、厨房設備、手洗い、シンク、冷蔵設備、換気、トイレなどの計画が固まった段階で、管轄保健所へ事前相談するのが安全です。消防署にも、用途、収容人員、火気設備、避難経路、必要な消防設備を確認してください。

店舗を選ぶ自治体によって施設基準や申請手数料、運用が異なることがあります。東京都内の手続例は、新宿区「営業許可等の手続きについて」で確認できます。


6.食品衛生責任者を選任する


原則として、営業許可や営業届出の対象となる施設では食品衛生責任者を定める必要があります。

調理師、栄養士などの対象資格を持つ人は、その資格を証明する書類を利用できます。対象資格がない場合は、自治体や指定機関が行う養成講習会を受講する方法があります。

申込みが混み合う時期もあるため、物件探しと並行して早めに準備しましょう。制度の概要は、新宿区「食品衛生責任者について」も参考になります。


7.飲食店営業許可を申請する


飲食店の営業や食品の製造・販売を始める場合、食品衛生法に基づく営業許可が必要です。

一般的な流れは、申請、必要書類と手数料の提出、保健所による施設検査、許可書の交付です。法人で申請する場合は法人情報、食品衛生責任者の資格を証明する書類、施設図面なども準備します。

営業許可申請や営業届出は、厚生労働省の食品衛生申請等システム案内からオンラインで行える場合があります。実際の必要書類、検査日、手数料は管轄保健所へ確認してください。


8.HACCPに沿った衛生管理を準備する


原則として、食品等事業者にはHACCPに沿った衛生管理が求められます。

小規模な一般飲食店では、業界団体の手引書を参考に「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を行う方法があります。衛生管理計画を作成し、従業員に周知し、実施状況を記録・保存し、定期的に見直します。

厚生労働省は、HACCPの制度案内と小規模な一般飲食店向け手引書を公開しています。


9.消防・深夜営業・酒類に関する手続きを確認する


火を使用する設備、店舗の面積、建物全体の用途、収容人員などによって、消防用設備や防火管理者に関する手続が必要になります。飲食店では、建物全体の収容人員が30人以上の場合などに防火管理が必要となることがあります。

また、午前0時から午前6時までの深夜に、酒類を中心として提供する営業を行う場合は、管轄警察署への「深夜における酒類提供飲食店営業」の届出が必要になることがあります。接待や遊興を伴う営業では、別の許可が必要になる場合があります。


10.害虫・ねずみ対策を開業前に行う


飲食店では、食材、排水、搬入口、建物の隙間などが原因で、ねずみや害虫の問題が起こることがあります。発生してから対応するより、開業前に侵入経路と衛生状態を確認しておく方が、休業や信用低下のリスクを抑えやすくなります。

自分で対策しても改善しない場合や、建物内に侵入した形跡がある場合は、専門業者への相談も検討してください。



外国人の飲食店開業でよくある失敗


物件契約後に許可基準を確認する

希望する厨房設備を設置できない、排気経路を確保できない、貸主が業態を認めていないなどの問題が起きることがあります。契約前に保健所、消防署、貸主、管理会社へ確認してください。


在留資格の準備を後回しにする

会社設立や営業許可が完了しても、経営活動に合う在留資格が認められるとは限りません。改正後の「経営・管理」基準を踏まえ、資金、雇用、日本語能力、申請者の経歴、事業計画を早い段階で確認する必要があります。


開業資金だけで運転資金を考えない

工事費や設備費に予算を使い切ると、売上が安定する前に資金不足になるおそれがあります。家賃、人件費、仕入れ費、水道光熱費などを数か月分見込んでおきましょう。


無許可・無届のまま営業を始める

営業許可、消防関係、深夜酒類提供など、業態によって必要な手続は変わります。「知人の店と同じ」と考えず、自分の物件と営業内容に基づいて確認してください。


Restaurant Business Japanの開業チェックリスト


  • 現在の在留資格で経営できるか確認した

  • 改正後の「経営・管理」基準を確認した

  • 売上計画と運転資金を試算した

  • 個人事業または法人を決めた

  • 飲食店営業が可能な物件であることを確認した

  • 工事前に保健所と消防署へ相談した

  • 食品衛生責任者を選任した

  • 営業許可申請と施設検査の日程を確認した

  • HACCPに沿った衛生管理計画を作成した

  • 深夜営業、酒類提供、接待の有無を確認した

  • 税務、社会保険、労働保険の手続きを確認した

  • 害虫・ねずみ対策を行った


よくある質問


Q.外国人でも日本で飲食店を開業できますか?

A.はい。ただし、現在の在留資格で経営活動が認められるか、店舗物件が営業に適しているか、必要な営業許可を取得できるかを確認する必要があります。


Q.飲食店営業許可があれば「経営・管理」の在留資格も許可されますか?

A.いいえ。飲食店営業許可と在留資格は別の制度です。営業許可を取得していても、「経営・管理」の許可基準や提出書類を満たすことが必要です。


Q.食品衛生責任者は外国人でもなれますか?

A.対象資格を持っているか、所定の養成講習会を修了すれば、外国人でも食品衛生責任者になれる場合があります。講習言語や必要書類は実施機関へ確認してください。


Q.飲食店の物件探しから相談できますか?

A.はい。当事務所では、宅地建物取引士として事業用物件の賃貸・売買のご相談を承っています。在留資格や営業許可との順序も含めてご案内します。


まとめ


外国人が日本で飲食店を開業するには、在留資格、資金計画、事業形態、店舗物件、営業許可、消防、衛生管理を一つの計画として進めることが重要です。

特に、2025年10月16日以降の「経営・管理」は許可基準が大きく変わっています。古い情報だけで準備せず、最新の公的情報と個別事情を確認してください。

ミツノブ行政書士事務所では、外国人の在留資格変更・在留期間更新、飲食店営業許可などの手続についてご相談を承っています。また、宅地建物取引士として、飲食店・事業用物件の賃貸や売買のお手伝いも可能です。開業準備をどこから始めればよいか分からない方も、お気軽にお問い合わせください。


執筆・監修

ミツノブ行政書士事務所

行政書士・宅地建物取引士 松田充正


本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の在留資格、許認可、物件契約、審査結果を保証するものではありません。制度や必要書類は変更される場合があるため、最新情報を管轄行政機関へご確認ください。

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